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自閉症の青年と、少し人生行き詰まり気味の看護学生が、偶然から海へ向かう旅に出てしまい、そこで様々な人々とめぐり合うハートウォーミングな人間ドラマ。「自閉症」という名前だけが一人歩きし始めている昨今、実際の症状や接し方等、ほとんど知られていない障害に焦点を当て、ひとりの自閉症の青年を取り巻く人々の人生や心の成長を、時にユーモラスに、時に厳しく、そして温かく描き出した秀作。
主人公・明日美に、映画『いま、会いにゆきます』での瑞々しい存在感が話題を呼んだ、大塚ちひろ(映画初主演!)。新人・伊藤祐貴は、500人以上のオーディションから選ばれ、自閉症の青年という難役を見事に演じ切った。その青年の母親役として実力派女優・石井めぐみ、物語のキーパーソンとなる老夫婦役を名優・秋野太作、大森暁美が演じ、ゆったりとした空気感を映画に吹き込む。そして、障害者の“きょうだい”としての高校生役を演じた若手・小林裕吉&松嶋初音の等身大の演技にも注目。



社会性やコミュニケーション能力、想像力の発達の偏りが生後早期に明らかになることで診断される障害。先天的あるいは生後早期に生じた機能障害が基盤にある。医学的な治療法は確立されていない。他人とのやり取りや集団行動が不得意だったり、興味の対象が狭かったり極端なこだわりを見せる場合が多く、特定の音や光や刺激を好んだり、逆に嫌がる傾向(感覚過敏)等の特徴がある。最近よく耳にするアスペルガー症候群も自閉症と類似した障害である。原因については諸説があるが、特定に至ってはいない。名称のイメージから、ひきこもりやうつ病などと間違われることも多い。